MBA ファンディングアドバイザー®西谷佳之

金融機関経験を活かした中小企業の創業・経営支援

BtoC プラットフォーム

『顧客を減らさない』 離れられないプラットフォームにするための2つの方法 ①(ex 宝塚歌劇団編)

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顧客を増やす or 減らさない  減らないプラットフォームの作り方

多くの企業から個人経営者まで、顧客もしくはファン(以下 便宜上総じてファンと呼びます)の獲得と同じくらい、むしろそれ以上に大事なのは、獲得したファンを減らさないようにすることですね。

・どうやってファンを繋いでおくのか
・どうやって選ばれ続けるのか

といったことは、本当に重要な問題です。

マーケティングでは「1:5の法則」というものがあります。
新規顧客を獲得するためには、既存顧客をキープするのに比べ、5倍のコストがかかると言うものです。

ただ、ブランディングの観点からの研究では、多くの業界で
トップブランドの離反率は低く、下位ブランドほど離反率が高い
という結果が出ています。

一概にコストが5倍かかるとは言えないかも知れませんが、どちらが高い安いではなく、新規獲得と同じかそれ以上に顧客を減らさないようにすることは重要なことだと言えます。

直近の調べでは、顧客離反率が40%を超える店舗が増加しているとの結果が出ています。

1年間で、たとえば100人のファンのうち40人が離れていくということですね。

この要因の一つとして、社会的価値観の変化が激しいことが挙げられていますが、それ以外に顧客をつなぎとめておく施策が、顧客の獲得方法ほど取り上げられていないことも要因だと言われています。

こういった背景を踏まえ、『顧客を減らさない』方法をハード編とソフト編2つに分けて、ブログでご紹介しようと思います。

今回は、ハード編です。

『顧客を減らさない』ハード編

ハードとソフトって?と思われますよね。便宜上ハードとソフトに分けて説明させていただきますが、どちらかと言えば枠組み手法とテクニカル手法といった感じに捉えていただければと思います。

で、ハードのほうですが。

皆さんはどうでしょうか。

「昔はあそこのサイトでよく買い物したけれど、今は全く買ってないな」

「昔はあの芸能人のファンでよくコンサートにも行ったけど、今はそんなに好きでもないな」

など、思い当たることはないでしょうか。

何故このようになってしまっているのか、少し考えてみましょう。
「興味がなくなった」のは何故でしょうか。

一人だけでは「好き」は続かない

長い年月が経つと、多くの人は周りの環境が変わり、人脈も少しづつ変わってきます。

今まで一緒にコンサートに行っていた友人とも離れてしまうことがあるかも知れません。
同じブランドを好きだった友人と、そのブランドの商品について話をすることも無くなったかも知れません。

そういった場合、人はモチベーションの維持が難しくなるといいます。

よくダイエットで「表やグラフに体重を書いて見えるところに貼っておいてください」と言われます。これは、自分一人ではなく、他人に見えるようにすることでモチベーションを上げて継続率を高める手法ですね。

自分がファンであることを他人に認識されていることが、モチベーションの維持に役立つのです。

つまりプラットフォーム側は、ファンが、ファンであることを公言するような仕組みを作ることが重要なのです。

そしてさらに、重要なことがあります。

仲間を増やす・コミュニティを作る

実は「減らさないプラットフォーム」を作るために本当に有効な施策は、ファンどうしの新たな繋がりを築いて行ける仕組みを作っていくことなのです。

それぞれのファンがファン活動をきっかけに、全く知らなかった人と繋がることで、そこに新しい接点が生まれ、共通の話題を持つ新たなコミュニティが出来るのですね。

ファン同士のコミュニティが出来ることで、新しい横のつながりが生まれます。

コミュニティがファンを減らさない有効な理由として
インバブルメント効果(巻き込み効果)
というものがあります。

インバブルメント効果は行動心理学で研究されていますが、人は自分自身が参加している物事に対して強い愛着をもつというものです。

そして、プラットフォーマーが各プラットフォームに向けてさらに他人同士が繋がれる話題や仕組みを提供することでコミュニティは活発に動き出して行くのです。

ファンの所属感が増す、つまりインバブルメント効果が高まるからです。

つまり、新たなコミュニティを作るためにプラットフォーマーが行うことは次のようなことです。

・ファンどうしが繋がるきっかけをつくること
・繋がるための場所(ファンプラットフォーム)を作ること
・プラットフォーマーという立場からも、関与していくこと

簡単に書きましたが、実は難しいことです。

・作り上げたプラットフォームの運営をどうするのか
・ターゲットの見誤りはないか

などの課題が考えられますが、特にターゲットの見誤りは重要な問題です。

マニアがジャンルを潰す

これは、以前もブログに書きましたのでご存知だと思いますが、もと新日本プロレスの社長の言葉ですね。

ご覧になっていない方は以下のブログを

新日本プロレスのブルーオーシャン戦略はお手本となりえる

プロレスが人気を取り戻しています。大きな会場もすぐに埋まってしまうようです。 いま、一番顧客動員数が多い団体「新日本プロレス」 しかし、アントニオ猪木が活躍していたころの「新日本プロレス」とは様変わり ...

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皆さんのファンの中でもターゲットをどこに設定するかは非常に重要なのです。

特に企業が陥りやすい問題として、コアユーザーに対してのみマーケティングを行ってしまうことがあります。

多くの企業がそうなっていると思います。目先の売上はそのほうが効率よく上がるからです。

しかし、顧客を決めてしまうことは非常にリスクを伴います

社会的ニーズや価値観は常に変化しており、それらに常に対応していく必要がありますが、コアなファンにのみ集中していくと、ファンはマニア化してしまい、他のファンを寄せ付けなくなります。自分ルールが強固なものとなるのですね。

そのためにせっかく作ったコミュニティも縮小していくことになるのです。

コアなファンは根強い場合が多いですから、コミュニティが無くなることはほとんどありませんが、商売になるかどうかは別問題ですね。

コアターゲットに絞らない工夫が必要です。

宝塚歌劇団にみるコミュニティ運営

ここで少し特殊な事例を紹介します。
宝塚歌劇団の事例です。

宝塚歌劇団は1914年の初公演以来 世代を超えて長く続いています。

会員数は増加傾向にあり、2018年には9万5千人になったと発表がありました。

宝塚歌劇団はSNSコミュニティを作っています。
公式Facebookページでも現時点で17万人のフォロワーがおられます。

しかし、コミュニティに対して宝塚歌劇団が行っていることは、あくまで一方的な情報発信のみです。
なのに何故ファンが増え続けているのでしょうか。

ひとつの要因としては、すでにSNSコミュニティはファンの交流の場となっており、ファン自身が情報に対し反応し勝手に交流する仕組みとなっていることだと思います。

しかし、実はもう一つ別の理由があるようです。

コミュニティの独自進化

宝塚歌劇団の場合、実は公式のコミュニティ以外にも多くのコミュニティが存在しそれらが上手く関わり合っているのです。

最初は、宝塚歌劇団から与えられたコミュニティから発生したものだと推測されますが、各ジェンヌ(宝塚歌劇団の団員に対する愛称)ごとに私設の会(ファンクラブ)が出来ているのです。

トップスターになれば会員数は数千人規模となるようです。
また、それらの会の運営はボランティアが行なっているとなっています。
ファンが自主的にコミュニティを広げているのです。

こういったジェンヌごとの会がファンどうしの繋がりをさらに強め、結果として宝塚歌劇団のコミュニティの活性化に役立っているのです。

会のファンの方々は、一人のジェンヌを見送ったら、また新たなジェンヌの会に入会すると聞きます。そのようにしてさらにいろいろな繋がりが出来ているのですね。

特殊な事例だと思いますが、ある意味究極の理想系かも知れませんね。

ユーザーとのコミニュケーション

このように、顧客を減らさないためには ファン同士のコミュニティを提供し、

「共感」「共同体験」「共通認識」

などをファンに与えていくことが重要なのです。

さらに「ここだけの秘密」なども提供することで、コミュニティはさらに活性化します。

また、運営側は情報提供のみならず、ファンからの発信に答えることでファンの特別感を刺激することにも重要ですね。

ファンを無意識のうちにコミュニティに参加していると思わせるテクニックなども必要です。

 

この辺りも踏まえ、次のブログでは「顧客を減らさない」ためのソフト編、テクニック的な部分をお話ししたいと思います。

 

続編です

『顧客を減らさない』 離れられないプラットフォームにするための2つの方法 ②(Facebook・Amazon編)

今回のブログでは前回に引続き、皆さんのプラットフォームから「顧客を減らさない」方法についてお話ししたいと思います。 前回はコミュニティ作りについてお話ししましたが、今回は、テクニック的な部分を少し学術 ...

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西谷 佳之
大阪生まれ 神戸大学大学院経営学研究科修了(MBA) 大学卒業後地方銀行勤務。約10年 4ヶ店の銀行支店長経験後リレーション推進部地域創生室を経験し、大阪大学産学共創本部特任研究員として大学発ベンチャーの創生に関わる。 一方で、中小企業支援をライフワークとし、テイクオフパートナーズを立上げ。銀行ではほぼ全ての期間で法人取引を担当した経験や、支店長として着任したすべての店舗を業績表彰店に導いた手法とMBAの知識をもとに、個社別のコンサルタントや経営関連講演を行うことで事業サポートを行っている。 銀行の枠組みを超えた企業サポート手法のひとつとしてクラウドファンディングの可能性に魅力を感じ、クラウドファンディングを利用した事業サポートに注力している。 また、起業志向学生のメンターとして大学発ベンチャーのサポートも行っている。

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