MBA ファンディングアドバイザー 西谷佳之

金融機関経験を活かした中小企業の創業・経営支援

クラウドファンディング マーケティング 戦略

クラウドファンディングで共感を得る為に知っておきたい顧客心理(ナッジ理論に学ぶ)

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今年のノーベル経済学賞は知っていますか

fill / Pixabay

2017年度のノーベル経済学賞は、行動経済学者リチャード・セイラー教授の「ナッジ理論」でした。

「ナッジ理論」・・・耳慣れない言葉ですよね。しかし、身近にいくらでもあることなのです。

ナッジ(nudge)とは英語で「そっと後押しする」という意味で、『より良い方向へ向かわせるための選択誘導』みたいなものと解釈していただければイメージしやすいと思います。

ナッジ理論とは

身近な例では、最近目につく コンビニのレジの前の足型なんかが良い例です。何故か足型が描かれてから、人々は言わずとも足型の上に立ってしまいます。

複雑な例としては、スーパーマーケットが

・パンを焼く匂いを嗅がせたり、
・一番儲かる商品を人の目の高さに並べたり、
・定番商品は同じ陳列棚から動かさなかったり

していることなのです。これらの戦略によって、あなたは誘惑に負けて予定していなかったものを買ったり、いつもと同じものを惰性で買ってしまったりしているのです。

これらの状況は意図的に作りだされているのです。

ナッジ理論の特徴と戦略

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人が意思決定を行うときは、それがどんな状況であれ、常に選択構造が働いています。『「ナッジ」とは人々が不完全な選択に導かれやすいことを理解した上で、社会や環境、そして自分にとってよりよい行動を促すこと』と行動経済学では示されています。

ナッジ戦略に共通するのは、税、罰金、報酬といったオーソドックスな経済的誘因を使っていないことです。恐怖で誘導するのではなく、あくまでも自由意志に訴える形でありながらも行動経済学の知見を駆使して意思決定に影響をおよぼすのが「ナッジ理論」の特徴です。

少し難しい話になってしまいましたが、これ以降は具体的な事例をもとに、クラウドファンディングに(その他のマーケティングにも)使えそうな「ナッジ理論」を紹介しましょう。

フレーミング効果

これは実践的に一番使われている理論かもしれません。物の購入についての意思決定に影響するからです。
フレーミング効果とは、表現方法を変えることで、物事の印象が変わる行動心理のことです。

たとえば次の商品では、どちらを購入したいと思いますか。

① 果汁90%のオレンジジュース
② 果汁以外10%のオレンジジュース

どちらも内容は同じですが、表現を変えるだけで印象が変わりますね。フレーミング効果はコピーライティングに応用出来ます。
クラウドファンディングの題名や内容説明に使えますね。興味のなかった人へもメッセージが届きやすくなります。

① 防犯サービスに登録すれば、安心です
② 防犯対策をしなければ、あなたの財産が狙われます

アンカリング効果

アンカリング効果とは、最初に提示された特徴や数値が基準になって、その後の判断に影響を与える行動心理のことです。

① 1,000円のカクテル → 5万円のワイン
② 5万円のワイン → 1,000円のカクテル

①では5万円のワインが高く感じ、②では1,000円のカクテルが安く感じます。商品を安く感じてもらうには、商品の価格よりも大きな数字を最初に見せるようにすればよいのです。

また、アマゾンは定価1万円に線が引かれ、次に7,500円の値段を提示するなどして、アンカリングを行っていますね。


クラウドファンディングでも、リターンにおいて、商品定価を参考に書いてあるプロジェクトは多くありますが、どうせならアマゾンのように線を引くなどして印象付けたほうが、お得感が出ますね。

逆に消費者の立場で言えば、私たちが買うのは定価ではなく購入価格なので、定価に振り回されないように気をつけてくださいね。

プロスペクト理論

行動経済学で一番有名な理論だと言われています。プロスペクト理論とは、「人は得をしたい思いよりも、損をしたくない思いのほうが倍以上強い」という理論です。

もう少し正しく言うと

・利益に対しては確実性を重視
・損失に対しては回避を重視

ということです。つまり、もっとも期待値の高い選択を常に選ぶわけではないということなのです。

広告の例として言えば、

① すぐに、この治療薬を飲めば、100%完治します
② すぐにこの治療薬を飲まなければ、30%は治らなくなります

これらを比較すると、広告として効果が高いのは②になります。なぜなら、完治するという利益よりも、治らなくなるという損失を避けるべく人は行動するからです。

プロスペクト理論をマーケティングに適用すると、商品を手に入れることで得をすることを訴えるだけでなく、手に入れないことで損することも同時に訴える方が良いということになります。

プロスペクト理論はマーケティングの中でも特にコピーライティングに応用されています。
コピーライティングでは、プロスペクト理論に基づき、次の3点を重視します。

① 恐怖 : このままでは状況が悪くなる不安を与える

② 希少性: この機会を逃すと買えないことをアピールする

③ 保証 : お金を失う恐怖を負ってあげる

このことを踏まえることで、相手への影響力が大きく増します。実際によく使われている法則です。

プロスペクト理論に基づき、損失回避の法則をマーケティングに応用することで効果が大きく上がります。

マーケティングの効果を高める

マーケティングの効果を高めるためには、人間の行動心理や思考のクセ、脳の特性を知ることが大切です。
なぜなら、たったひとつの言葉を変えるだけで、人の行動は変えられるからです。

そして、これらのテクニックはクラウドファンディングにも十分応用出来ます。

クラウドファンディングはマーケティングツールですから相性が良いのですね

今回は代表的なほんの一部の理論をご紹介したにすぎません。行動心理学のテクニックはまだまだあります。
ご興味のあられる方は、独自で調べられても良いかと思います。

私はテクニックを集めて、たとえばクラウドファンディングやネットビジネス向けのコンテンツにしたら面白いかなとか考えています。

その際には、ご紹介できればと思っております。

最後までありがとうございました。

 

 

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西谷 佳之
大阪生まれ 神戸大学大学院経営学研究科修了(MBA) 大学卒業後地方銀行勤務。約10年 4ヶ店の銀行支店長経験後リレーション推進部地域創生室を経験し、大阪大学産学共創本部特任研究員として大学発ベンチャーの創生に関わる。 一方で、中小企業支援をライフワークとし、テイクオフパートナーズを立上げ。銀行ではほぼ全ての期間で法人取引を担当した経験や、支店長として着任したすべての店舗を業績表彰店に導いた手法とMBAの知識をもとに、個社別のコンサルタントや経営関連講演を行うことで事業サポートを行っている。 銀行の枠組みを超えた企業サポート手法のひとつとしてクラウドファンディングの可能性に魅力を感じ、クラウドファンディングを利用した事業サポートに注力している。 また、起業志向学生のサポーターとして大学発ベンチャー創生にも携わっている。

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