MBA ファンディングアドバイザー 西谷佳之

金融機関経験を活かした中小企業の創業・経営支援

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銀行業界は何故変われないのか

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私がコンサルタントのような立場で皆様へアドバイス出来ればと思ったのは、この本を読んだからだ・・・という訳ではないですが  筆者が危惧しておられる部分は私のそれと通ずる部分も多くありました。 

これからの銀行業界について私の考えを少しお伝えしておきたいと思います。

銀行というビジネスモデルについて

自らの問題意識として強く思うことは「銀行は早く、ドラスティックに変わらないと」ということです。銀行の今までのビジネスモデル(お金をお預かりして、お貸しして金利差をいただく。自らを通してお金をやり取りすることで、手数料をいただく。など)は、すでに崩壊しています。

おそらく、各銀行の上層部はわかっているはずなのですが、しかし、なかなか変化は進まないのです。

こんな状況なのに何故変わらないのか

 ひとつは、法的な縛りがまだまだキツイということが要因です。他業界からの銀行業参入に対しての規制は緩く、多くの参入が進んでいますが、逆に銀行が他業界へ参入することは、多くの議論がされているものの、子会社業務も含め、銀行法により厳しく規制されているのです。

  それでも、全社一丸となって危機意識を共有し、新たなビジネスモデルの構築に多くの時間と人材と費用を投入すべき時だと思います。銀行のビジネスモデルは崩壊しているのですから。それでも変化が進まないのは何故でしょうか。

 その一因は、銀行業界の特殊な発展経緯による独特な文化にあると思います。

銀行には失敗を恐れる文化、横並び意識の文化があります。それは銀行が風評リスクを極端に恐れる、評判ビジネスであるからです。お客様からの信頼が命なのです。

ある銀行の事例

 平成に入ってからのことですが、某銀行の一支店の職員が連休前日、ATMにお金を詰め忘れたことがありました。

そして、数あるATMのうちの一台のお札が底をつき、お金が出なくなったのです。1

人のお客様がその事を誰かに伝えたのが始まりだと思いますが、それは伝言ゲームのように「銀行の経営不安」と形が変わって、瞬く間に拡散され、その銀行が危ないという噂が大きく広まりました。
そうして、連休明けには取り付け騒ぎに発展するまでに至ったのです。

多くの顧客が開店前から銀行に並び、その銀行の預金量は大きく減っていきました。数日間で約3000億円流出したとのことです。

 その他にも、1個人が「○○銀行が××日に倒産する」といったデマのチェーンメールを発信したことがきっかけで取り付け騒ぎとなり、約500億の預金流出に繋がった事例もあります。(この人物は書類送検されましたが、不起訴となっています)

 そんなビジネスだから、評判に気を使うことは分からなくはないのです。しかし、リスクを取ってそこから脱出しなければ変わることは出来ないのも事実です。

 そしてもう一つ、銀行といっても結局はサラリーマンの集まりだということです。

これも大きな要因です。いかに自分の失敗を避け、人を蹴落とすか。こういったことは、まだまだ無くなっていません。上層部にいけば、むしろ普通のことなんでしょう。(銀行に限ったことではないかも知れないのですが)
あえてリスクを取りにいくより、安全にケガをしない方を選んでしまう。各自のリスク許容度が低いのであるから、それしか方法が無いのかも知れません。

 だから、自らのビジネスモデル変化よりも、安易な規模の拡大(合併)によって、既得ビジネスモデルの強化を図るほうを選択することになるのでしょう。

 銀行のビジネスモデル変換がなかなか進まない要因は他にもあり、それらが絡み合っているのが現状なんだとは思いますが、それにしても早くファーストペンギンが銀行業界に出てくる必要があると思います。

 

 

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西谷 佳之
大阪生まれ 神戸大学大学院経営学研究科修了(MBA) 大学卒業後地方銀行勤務。約10年 4ヶ店の銀行支店長経験後リレーション推進部地域創生室を経験し、大阪大学産学共創本部特任研究員として大学発ベンチャーの創生に関わる。 一方で、中小企業支援をライフワークとし、テイクオフパートナーズを立上げ。銀行ではほぼ全ての期間で法人取引を担当した経験や、支店長として着任したすべての店舗を業績表彰店に導いた手法とMBAの知識をもとに、個社別のコンサルタントや経営関連講演を行うことで事業サポートを行っている。 銀行の枠組みを超えた企業サポート手法のひとつとしてクラウドファンディングの可能性に魅力を感じ、クラウドファンディングを利用した事業サポートに注力している。 また、起業志向学生のサポーターとして大学発ベンチャー創生にも携わっている。

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