MBA ファンディングアドバイザー 西谷佳之

金融機関経験を活かした中小企業の創業・経営支援

事業計画 創業 女性 資金調達 銀行

女性起業家が知っておくべき「お金」のはなし ①

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創業時、とくに融資を受ける場合となると事業計画書を作る必要が出てきます。
ここでは作成の前段階、事業計画書とはどんなものかという事をメインにお話しさせていただきたいと思います。

事業を始めるタイミングとは

すでに創業されておられる方には必要ないかもしれませんが、一般的に起業の準備を始めるタイミングとしては、みなさんが持っておられる事業アイデアがそのタイミングであるかどうかだと思います。具体的には以下のような項目が一つのポイントになると思います。

・ 事業のコンセプトが明確になった

・ 顧客、地域等のニーズが発生している

・ 市場や業界動向の調査分析を終えた

・ ライバル他社と差別化が行えた

・ 協力してくれる個人、会社等を見つけた

・ 事業に必要な技術や知識を備えた

これらのポイントがほとんど出来ていると思えたならば、事業のアウトラインを作ることになります。

事業のアウトラインを作り上げる

事業のアウトラインは事業計画書を作るためには必要なことですが、さきほどのポイントも含め、事業経験のない人にとっては、けっこうハードルの高い作業になると思います。

心理学的に言えば、とくに女性は一般的に感情共感を求めるといいます。
何か問題を抱えた時、男性はその問題解決を第一とするのに対し、女性は自分へのケアと共感を求めることを優先する傾向にあるようです。

ですから、女性が創業するに際し、事業のアウトラインについて一人で考えて行き詰まってしまった場合、誰からも共感を得れないと事業計画自体をあきらめてしまうかも知れません。
そうならないように、常に起業相談窓口に赴いたり、友人に話したりすることをお勧めします。
言葉にして説明することで、頭の中も整理でき、新たに気づくことなども出てくるでしょう。

説得力のある論理的な計画書を

事業のアウトラインが固まったら、いよいよ事業計画書を作成していくことになります。
ここで気をつけなければいけない事は、根拠なき自信と熱い思いだけにはならないようにする事です。
多くの事業計画書を見てきましたが、思いは十分に伝わるけれども、その根拠が全くないものが意外と多いのです。
根拠があってはじめて説得力が生まれるのです。

根拠を示す

たとえば「この事業は1年後に売上が倍になります」と説明を受けたとします。
どうして倍になるかを尋ねると「努力してお客様を倍にするからです」と回答されるのですが、何故お客様が倍になるのか、そもそもお客様が倍存在するのか、全くわかりません。

市場規模がこれくらいなので、同業他社にこれだけの顧客がいるので、売れ筋商品のレパートリーを増やし、この層の他社のお客様を◯%取り込みます。とか、

低価格を好むお客様が全体の○%おられるので、商品単価を下げ、ターゲット層を変えれば販売個数がこれだけ増加することが見込める。

といった具合に数字も交えながら具体的な根拠を示し、説得力を持たせる必要があるのです。
マーケティングの結果を引用するなども良いでしょう。
アイデアだけでは理解してもらえないことを覚えておいてください。

事業計画書の作成手順

では、おおまかに事業計画書の作成の流れを記しておきます。(添付画像は日本政策金融公庫のもの)

事業の背景と目的について

(自らのビジョンを明確に)

ビジネスモデルについて説明

(サービス、製品、市場規模ニーズ等、差別化計画、営業戦略)

事業のスケジュール

(初年度、中長期 それぞれ作成)

収支計画作成

(初年度、中長期 それぞれ作成)

資金計画、資金繰り計画、返済計画等作成

その他

(事業主の職歴、経験、技術、強み 組織体制等)

大きな流れとしてはこのような感じになると思います。
ただし、借入を前提とするならば、借入先ごとに事業計画書のフォームがあると思いますので、それに沿った形で作成する必要があります。

リスクの取り方の男女差

かならずしも全員に当てはまるわけではないのですが、リスクの取り方について有名な面白い実験があります。
南カリフォルニア大学にライトホールらが風船を使って行った研究です。
実験内容はここでは割愛いたしますが、実験結果として示されたことは、ストレスを感じると、男性はよりリスクを求める意思決定をし、女性はよりリスクを避ける意思決定をするというものです。

リスクを避けることで計画が成り立たないことも

事業計画や資金計画が苦手だと思っておられる女性の計画は、リスクを含まない安全性の高い方に傾いてしまう傾向にあるということです。ここで言う”安全”はより現実的という意味です。

もし、計画がこの通り行かなかったら、、、

どう考えても実際はこんなにうまく行かないかも、、、

という気持ちは誰もが持つとは思いますが、上手くいかなかったことを恐れるあまり、計画が現実と乖離するリスクを取らずに、より現実的な計画を策定してしまうのです。
その結果、売上がほぼ上がっていかない、資金繰りが回らない、といったことから計画自体が成り立たなることもあります。そうして、借入自体を諦めてしまう人も多くいるのです。

計画はあくまで計画

計画と現実が乖離してしまうかもしれないリスクの大きさは、事業者の努力であり事業の伸びしろの大きさなのです。
こんなことを言っては元も子もありませんが、計画は所詮 計画なのです。上手くいかなくてあたりまえだと考えておいてはどうでしょうか。
嘘をつくように勧めているのではありません。先ほども述べましたが、根拠があれば良いのです。
もし計画より下回っても、計画の根拠がきちんとしていれば、下回った要因も分析できます。
計画が狂った要因が納得性のあるものでしたら、金融機関は許容してくれるはずです。

だから心配しないで、ある程度リスクを含んだ計画書を策定してほしいと思います。

次回は具体的な事業計画書の作り方についてお話ししたいと思います

 

 

 

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西谷 佳之
大阪生まれ 神戸大学大学院経営学研究科修了(MBA) 大学卒業後地方銀行勤務。約10年 4ヶ店の銀行支店長経験後リレーション推進部地域創生室を経験し、大阪大学産学共創本部特任研究員として大学発ベンチャーの創生に関わる。 一方で、中小企業支援をライフワークとし、テイクオフパートナーズを立上げ。銀行ではほぼ全ての期間で法人取引を担当した経験や、支店長として着任したすべての店舗を業績表彰店に導いた手法とMBAの知識をもとに、個社別のコンサルタントや経営関連講演を行うことで事業サポートを行っている。 銀行の枠組みを超えた企業サポート手法のひとつとしてクラウドファンディングの可能性に魅力を感じ、クラウドファンディングを利用した事業サポートに注力している。 また、起業志向学生のサポーターとして大学発ベンチャー創生にも携わっている。

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