MBA ファンディングアドバイザー 西谷佳之

金融機関経験を活かした中小企業の創業・経営支援

クラウドファンディング マーケティング

事業を拡大するために、3つのクラウドファンディングを使い分ける

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事業を拡大するために

事業を始め、事業拡大していくためにはマーケティングを行いますが、
一般的に使われているのは、STPマーケティングの手法です。

STPマーケティングとは

マーケティング論の権威者であるフィリップ・コトラーが提唱した
「効果的に市場を開拓するためのマーケティング手法」です。

コトラーは、市場における自社の競争優位性を設定するために、

・Segmentation(市場の細分化)
・Targeting(ターゲットの抽出)
・Positioning(ターゲットに対する競争優位性の設定)

をすることが重要だと言っています。

まず、市場を絞り込む為に、さまざまな角度から市場調査をします。
たとえば、人口の変動、年齢や性別、職業などの属性、居住地、
趣味などの心理的要因、購買状況や使用頻度といった切り口が使われます。

その後、絞り込んだ市場において、
自社の強みが生かせるセグメントや競合が少ないセグメントを選定します。
さらにそのターゲットとするユーザーから見たときの優位点を絞っていきます。

ざっとこのような手順となります。

STPマーケティングの問題

これまで多くの場面で使われてきたSTPマーケティングですが、
最近はこの手法を上手く使いこなせない状態が多く見受けられるのです。

まず、消費がどんどん多様化していることが挙げられます。
どこまで厳密にセグメント化出来るのか、あるいはセグメント化すべきなのか
といった問題が見られるようになりました。

さらに、IT化・デジタル化時代によって、トレンドの変化が激しく、
市場の予想が立てにくくなっていること、また、立てたとしても、すぐにトレンドが変化してしまうことです。

これらのことから、STPマーケティングは万能ではなくなってきているのです。

エフェクチュエーションマーケティング

こういった時代にマッチするマーケティング手法は
エフェクチュエーションマーケティングです。
エフェクチュエーションについては、以前のブログを参考にしてください。

事業計画がつくれない訳? 大成功した起業家だけが考えていた5つの原則

起業するために みなさんが起業しようとするとき、どんなことを考えるのでしょう。 「年商10億を超えたい」 「従業員100人にしたい」 「会社を上場させたい」 などといった会社の規模のことでしょうか。 ...

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市場、商品、トレンド いろんなもののうつりかわりが激しい時に、
目標を設定し、それに向けた施策を検討しても、
すぐに目標自体を変えなくてはならなくなってしまいます。

先に立てた目標に意味が無くなってしまうからですね。

だから、まずは自分達の出来る事に目を向け、
関わりを広げていくマーケティングが効果を発揮するのです。

例えば、自らがカフェをオープンしようとして、
近隣にカフェがすでにあった場合どうしますか?

商品を変えるとか、値段を変えるとか、店舗内装を変えるとか、
差別化を図るのが普通ですよね。

エフェクチュエーション では、どう協力できるかを考えます。
その店のデリバリーをしてあげるとか、ラインに乗っていない商品を受け持つとか。

上手く利用することで、仲間を増やし顧客を増やしていくのです。
ネットワークを広げ、臨機応変に対応して行くのですね。

どこかで聞いたことだと思いませんか?

それって、クラウドファンディング?

そう、クラウドファンディングですね。
特に購入型のクラウドファンディングと同じです。

つまり、市場の変化が早いとき、創業間もないときは
マーケティングツールとして購入型クラウドファンディングを使うことが有効です。

クラウドファンディングの種類は
「購入型」「寄付型」「融資型」「ファンド型」「株式型」の5つに分けられます。
以前のブログも参考にしてみてください

本当に創業時のクラウドファンディングは有効なのか ①

創業とクラウドファンディング 最近、創業時にクラドファンディングを使うことを勧める記事をよく目にします。たしかに、金融機関融資と異なる新たな調達手法なのですが、それらの記事のほとんどは、クラウドファン ...

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企業のスタート時期には特に、マーケティングツールとして、
購入型クラウドファンディングを戦略的に使っていくことは
非常に効果があると思います。

決してお金集めとしては考えないでください。お金集めだと、約20%の手数料は惜しいです。
事業の資金は確保した上で、20%の手数料を支払って
マーケティングするという目線で動いてほしいと思います。

そうして、ターゲット市場や商品、サービスなどが固まってきたら、
いよいよ会社を大きくしていくステージとなります。

会社を大きくする為には、やはり先行投資が必要です。
売上が伸び続けると増加運転資金が必要になってきます。

増加運転資金については、このブログをご参照ください

「陸王」と「銀行」のおはなし ③

おはなし②は、陸王の新規事業資金申込みを深堀しましたので、今回は③運転資金の反復から。 ちなみに、ドラマ陸王での銀行融資申込みは以下の5回でした。おさらいまで。 ① 運転資金の反復 2,000万円 ② ...

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このステージにおいて、クラウドファンディングを資金調達として使うタイミングが出てきます。

資金調達のためのクラウドファンディング

資金を調達するためには融資型クラウドファンディングを使います。
金融型の中でなぜ融資型なのか、理由はいろいろあります。

ほかの金融型(ファンド型 株式型)は、参加に際して厳しい財務基準などもありますし、リスクも抱えることになります。
会社を大きくする段階のステージでは、まだ融資型しか使えないことがほとんどです。

融資型クラウドファンディングのメリット

融資型クラウドファンディングのメリットは

①プロジェクトに対しての資金集めである
②会社内容は支援者に開示されない
③失敗しても会社は継続可能
④返済負担が少ない(元金一括や年払いなど多様)
⑤一般の人から共感、賛同が得られる

といったところです。

資金を出す人たちは、
『こんなレストランを作ります』
『こんな商品を発売する計画です』
といったプロジェクトに対して資金を出しますから、
会社に対して投資するのとは違います。

実際のサイトはこのような感じです。

H30/6/21セキュリテHPより

サイトをごらんになっておわかりになると思いますが、購入型と同じように融資型でもプロジェクトの支援者が集まります。
仮に資金が集まらなかったら、プロジェクト実行出来ないということですが、
集まったけれど途中で頓挫した場合は、資金を出した人達がリスクを負うということになります。

その場合、たしかに 法的に会社にキズは付きませんが、
何より支援者を失うことになるのがこの時期の企業には特に痛いですね。

さらにデメリットとすれば、審査によっては保証人や担保を言われたりする他に、
資金を手元にするまでに時間が必要ということでしょうか。
決算書などによって審査されますが、落ちる場合もあります。

しかし、銀行借入に頼らない調達であり、海外ではすでに大きな市場となっています。

さらにクラウドファンディングを使う

これまでの事を何度か繰り返せば、もう会社が大きくなってきて、ある程度知名度も上がっているでしょう。

そうしたら、次は会社に資金を入れる為に、運命共同体を作るために、次のクラウドファンディングを試しましょう。

ここでは、ファンド型か株式型のクラウドファンディングですね。

前述の融資型クラウドファンディングとは違い、会社に投資してもらうことを目的としたクラウドファンディングです。
という事は、不幸にも会社が継続不可能になった場合は、投資家も損失を被るわけですね。

ファンド型は、資本とみなせる借入と考えてもいいでしょう。
返済期限の長い、元金返済負担の非常に少ない資金を調達すると資本とみなすことが出来るので、
それを利用したクラウドファンディングです。

株式型と比べて、経営の自由度などメリットは大きいですが、
逆に投資家には株式型の方がメリットが多いので、最近は少なくなっています。

株式型を使う場合は、資本政策なども考慮する必要がありますが、詳しくはこちらを

創業して株式会社を作るという選択 3つのタイミング

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株式型で集めた資金は、資本金ですから返済負担の無い資金となります。
投資家は会社が好調であればあるほど、多額の配当金を手にすることが出来ることになります。

なんと、こう考えるとクラウドファンディングだけで会社を大きくすることが可能なんです。

皆様が、銀行(政府)に縛られず、自由に資金調達出来る環境がどんどん整っているわけですね。

 

クラウドファンディングを上手く使い分けて、夢を叶えて欲しいと思います。

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西谷 佳之
大阪生まれ 神戸大学大学院経営学研究科修了(MBA) 大学卒業後地方銀行勤務。約10年 4ヶ店の銀行支店長経験後リレーション推進部地域創生室を経験し、大阪大学産学共創本部特任研究員として大学発ベンチャーの創生に関わる。 一方で、中小企業支援をライフワークとし、テイクオフパートナーズを立上げ。銀行ではほぼ全ての期間で法人取引を担当した経験や、支店長として着任したすべての店舗を業績表彰店に導いた手法とMBAの知識をもとに、個社別のコンサルタントや経営関連講演を行うことで事業サポートを行っている。 銀行の枠組みを超えた企業サポート手法のひとつとしてクラウドファンディングの可能性に魅力を感じ、クラウドファンディングを利用した事業サポートに注力している。 また、起業志向学生のサポーターとして大学発ベンチャー創生にも携わっている。

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